ある旅人の話です。
ある街で、レンガを積んでいる3人の職人さんに出会いました。
旅人が一人目の職人さん「何をしているのですか?」と尋ねると「見れば分かるだろ。レンガを積んでいるんだ」とぶっきらぼうに答えました。
二人目の職人さんに尋ねると「レンガを積んで壁を作っているんだ」と無表情で答えました。
そして、三人目の職人さんにも同じように尋ねると、彼は笑顔でこう答えました。「私たちは教会をつくっているのです。協会は街の人々を幸せにする大切な場所です。私はそんな仕事をさせていただくことができて、本当に幸せです」
毎日、朝から夕方まで一生懸命働く職人さん。
しかし、同じ職人さんでも下請け職人さんは「俺たちは上(元請け)から指示された現場で働いている」という感覚。
一方、直営店の職人さんは「私たちを信頼してくれた大切なお客様のお宅で働いている」という心構え。
どちらも一生懸命働くのですが、実は大きな違いがあります。
その大きな違いとは、「目的意識」です。
自分たちの仕事は誰のために、何のために行うのか、という「目的意識の違い」です。
現実に、かつての私たちもそうでした。 下請け仕事をやっていた時代には、元請け会社から次の仕事も継続的にもらうために、少しでも元請けが喜ぶようにと考え、言われたとおりに仕上げていました。 お客様のためと思っても、指示されていないことは一切致しませんでした。
しかし今は違います。
私たち地元の職人は、あなたの夢をかなえるために…。
今年も、一生懸命。
ただ、それだけです。
(日本建築塗装職人の会)
2009年1月